
虫歯の再発、再治療のリスクを最小限に
細菌感染した部分を細部まで確認しながら、感染組織のみを除去し、ご自身の歯質を出来る限り削らずに残します。 高精度で歯との隙間のない、適合の良い詰め物、被せ物を入れることで、虫歯の再発、再治療のリスクを最小限に抑えます。


削れば削るほど、歯の寿命は縮まります。そして、歯が抜け欠損歯が多くなればなるほど全身の健康に悪影響を及ぼします。 歯の寿命、そして健康寿命を伸ばすため、できるだけ抜かない、削らない治療を実践しています。
MIとはMinimal Intervention の略であり、日本語では「最小限の浸襲」という意味になります。
近年、MI治療と言う考え方は世界でも広まり、出来るだけ低浸襲に、つまり、今ある歯を出来る限り抜かずに、削らずに治療を進めていこうという考え方に世界の歯科は向かっています。
今までの日本の歯科は、虫歯はすぐに削る、詰める、再発したらまた削る、詰めるということを繰り返し、だんだんと自分の歯が減り、いずれは神経を取り、最終的には抜歯することになってしまうという流れができていました。
しかしMIの考え方では、「虫歯は進行性のものか?」「削る必要があるか?」という部分から検討し、削る必要があった場合にも最小限の虫歯部分のみを削り、再発の可能性が低い修復方法で修復する、そして再発しないように経過観察を行うという治療方法が選択されます。
当院ではマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)、マイクロルーペ(拡大鏡)を使用した「精密歯科治療」を行っています。
精密歯科治療は、MI治療の考えに基づき、治療による浸襲を最小限に抑えること、虫歯の再発、再治療のリスクを減らすことを可能にします。
マイクロスコープは、アメリカの根管治療専門医には導入が義務付けられているほど、治療に必要不可欠なものと考えられています。
しかし、日本でのマイクロスコープ普及率は歯科医院全体の約2%と非常に低いというのが現状です。
マイクロルーペに関しても、アメリカの歯科医では80%以上の使用率と言われているにも関わらず、日本ではまだまだ肉眼で治療を行う歯科医師の割合が高く、普及率は10%以下と言われています。
実際に人間の肉眼では、どんなに目が良くても0.02㎜(200μm)程度までしか認識ができません。
しかし、再発、再治療のない、精密歯科治療を行うためには、さらに細かく、数十μm単位での治療を行っていく必要があります。
当院では、歯科医師、歯科衛生士は常にマイクロルーペを装着させています。
また、全ての歯科医師がマイクロスコープを使用した治療ができるようトレーニングを積んでいるため、必要に応じてマイクロルーペとマイクロスコープを使い分け、診療を行っています。
細菌感染した部分を細部まで確認しながら、感染組織のみを除去し、ご自身の歯質を出来る限り削らずに残します。 高精度で歯との隙間のない、適合の良い詰め物、被せ物を入れることで、虫歯の再発、再治療のリスクを最小限に抑えます。
精密根管治療を行い、根尖病巣の発生、再治療のリスクを最小限に抑えます。 根尖病巣とは、歯の根の先端に膿がたまってしまう病気です。これも以前では抜歯の対象になってしまう可能性の高い疾患でしたが、精密根管治療や、歯根端切除などを行い、出来る限り抜歯を回避した治療方法が選択できるようになってきています。
歯の神経が入っている部分を根管と呼びます。 虫歯が歯の神経にまで達してしまった場合、この根管内の神経を取る処置が必要となります。 神経を取った後には空洞になってしまった根管内をきれいにする治療が必要になります。これが「根管治療」です。
根管治療では、根管から神経をしっかりと取り除き、根管内を無菌状態にしてから、根管を封鎖するための薬剤を充填します。 このときに、根管内の清掃が不十分で、神経の取り残しや細菌が残っていたり、根管を封鎖する薬剤と根管の間に隙間があると、封鎖された根管内で細菌が繁殖し、根尖部の歯周組織に膿がたまり、根尖病巣と呼ばれる膿疱ができてしまいます。 根尖病巣は、歯槽骨の破壊や、歯根吸収を引き起こし、歯を抜歯する原因となります。
当院の精密根管治療では、肉眼でははっきりと見えない根管内を、高倍率に拡大し、神経や感染組織の取り残しを視覚的に確認しながら治療を進めることができます。 また、ミクロ単位での歯根トラブル(ひび、破折、過去の治療による破穴)を発見することもできるため、トラブルに気がつかずに治療を終わらせ、原因不明の予後不良を起こすこともありません。
小さな虫歯であれば、ダイレクトボンディングで虫歯に感染した歯質のみを削り取り治療をすることが可能です。ダイレクトボンディングでは、虫歯に感染した歯質を削った部分に直接、セラミックに近い樹脂製の素材を充填し、歯を元の形のように修復します。従来であれば、虫歯に感染した部分以外も削り、型取りをして詰め物をする必要がありましたが、ダイレクトボンディングを利用すれば、必要以上に歯を削ることなく、虫歯の治療をすることができます ダイレクトボンディングは、1回で治療が完了すること、審美的に優れていること、健康な歯質を削る必要のないことなど、メリットの多い治療法です。